「中小企業診断士試験」とは?
【始めに】
中小企業診断士とは「経営コンサルタント」として、国が認めている唯一の国家資格です。
中小企業診断士の業務は、中小企業支援法で「経営の診断及び経営に関する助言」とされています。 「現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイス」が主な業務ですが、その知識と能力を活かして幅広く活躍しています。
【1】中小企業診断士になるには?
中小企業診断士になるためには、「試験合格」+「実務補修・実務従事」が必要になります。そのため、まずは「試験合格」を目指すための学習をする必要があるわけです。
2017年度の本試験の日程は4月上旬に主催団体である「一般社団法人中小企業診断協会(J-SMECA)」から発表されます。
例年の日程では、1次試験は「8月第1土・日の2日間」(合格発表は9月上旬)、2次試験(筆記試験)は「10月第3日曜日」(合格発表は12月上旬)、2次試験(口述試験)が「12月第3日曜日」(合格発表は翌年1月上旬)に実施されます。
【2】中小企業診断士試験の内容
中小企業診断士試験は「1次試験」・「2次試験(筆記試験・「2次試験(口述試験)」の3つの試験に合格して初めて合格となる試験です。
まずは「1次試験」を突破しなければなりません。
1.1次試験について
1次試験は例年、毎年8月の第1土・日の2日間で実施されます。
試験科目は「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・政策」の7科目で、それぞれ100点満点の試験となります。
合格発表は例年9月上旬に行われ、合格者には2次試験の受験票が郵送されます。(科目合格者には、科目合格の通知が郵送されます。)
(1)1次試験の科目の概要
【1日目の試験科目】
1.経済学・経済政策
「マクロ経済学」と「ミクロ経済学」について学習します。マクロ経済学では、国レベルの広い範囲における経済について学び、ミクロ経済学では、一個人・一企業レベルの狭義的な経済範囲における経済について学びます。
2.財務・会計
「財務・会計」は企業経営の基本となる内容です。財務諸表の読み方、経営分析の手法など、会社の数字について学ぶことが出来ます。また、2次試験の事例Ⅳの問題との関連が強い科目でもありますので、しっかりとした対策をする必要があります。
3.企業経営理論
企業経営理論は、「経営戦略論」「組織論」「マーケティング論」の3つの分野についての幅広い知識の習得が必要になる科目です。2次試験の事例Ⅰ・事例Ⅱにも関連が強い科目となっております。
4.運営管理
運営管理はものの作り方と売り方の双方の効率性を追及する科目です。主に製造工程や品質管理と店舗施設や販売方法などについて学習していきます。2次試験の事例Ⅱ・事例Ⅲとも関連が強い科目となっています。
【2日目の試験科目】
5.経営法務
経営法務は、企業経営に関係する法令、諸制度、手続き等に関連する実務的な知識が問われます。
6.経営情報システム
経営情報システムはITに関する知識や情報システムと経営戦略・企業革新と結びつけるための活用法などについて学びます。応用情報処理技術者などの資格を保有している人はこの科目が免除されます。
7.中小企業経営・政策
中小企業経営・政策は中層企業の経営実態や経営特質、大企業との相違が問われるものとなっております。また、政策の分野については具体的な中小企業政策について問われます。中小企業に関する様々な統計資料を押える必要があるのですが、頻出ポイントをしっかり押えると得点源にもなりうる科目といえます。
(2)1次試験の合格基準は?
基本的には、総得点で60%以上、かつ、各科目40%以上を得点したものが合格となりますが、総得点では60%には至らなかった人でも、それぞれの科目において60%以上の得点をしている科目がある場合は、その科目については合格とする、いわゆる「科目合格制度」を適用しています。
【16年1次試験の結果】
・合格基準
・受験者データ
<科目合格制度について>
科目合格となった科目については、合格した年度の「翌年度と翌々年度の2年間」については「免除」されます。
そのため、科目免除合格者については、免除科目以外の科目の総得点が60%以上となれば合格となります。
例えば、3科目だけ科目合格した状態で受験した場合は、残りの4科目の合計得点が「60%以上となる240点以上」獲得できれば合格となります。(全科目で60%以上である必要はありませんが、40%未満の点数の科目が無いことが必須。)
2.2次試験について
2次試験は「筆記試験」と「口述試験」の2つがあります。「筆記試験」を突破した人だけが、「口述試験」に進むことが出来ますので、「筆記試験」をしっかりと突破するための対策を行う必要があります。
(1)2次試験(筆記試験)の試験概要
2次試験(筆記試験)は10月の下旬の日曜日に実施されます。
試験内容は、4科目にわかれており、それぞれの科目について、企業の「事例」が記載された内容についての各設問に解答していく形式の論述試験です。
合格基準については「総得点の60%以上、かつ、各科目40%未満の科目がないこと」とされていますが、実際には採点基準が公表されていません。また、試験結果については「A~Dの4段階評価」となっており。A評価が合格とされます。合格発表は12月の上旬です。
16年の2次筆記試験の結果はこちら
1.事例Ⅰ(組織・人事)
組織(人事を含む)を中心とした経営戦略や管理に関する事例の問題となります。主に、組織再編や組織改革による組織力の強化、人事施策による生産性の向上等を図るための戦略について論述させる問題が出題されます。
2.事例Ⅱ(マーケティング・流通)
マーケティング・流通を中心とした経営戦略や販売管理に関する事例の問題が出題されます。この事例では主に、サービス業や小売業など身近な業種をテーマにした題材が多く、販売管理や流通戦略などの手法を学びます。
3.事例Ⅲ(生産・技術)
生産・技術を中心とした経営戦略や生産管理に関する事例の問題が出題されます。この事例は、生産管理や技術の向上など、製造・販売に関する経営戦略についての問題が出題されます。製造業に関する企業の事例が多いこともこの事例の特徴です。
4.事例Ⅳ(財務・会計)
財務・会計について、経営の中心部分についての事例もんだいが出題されます。財務諸表の内容から、財務体質の改善、資本の適切な調達・運用を図る戦略なども問われます。また、アカウンティング(会計)・ファイナンス(財務)の両面から複合的に問われる問題も増えているので、包括的に財務状況を把握する術を身につける必要があります。
(2)2次試験(口述試験)の概要
2次試験の筆記試験に合格した方のみが受けることが出来ます。
12月の半ばの日曜日に実施されており、合格発表は翌年の1月中旬となっています。
・16年の結果はこちら(1月5日更新予定)
口述試験は筆記試験の4事例の中からランダムで2~3題について解答します。試験は試験官3人に対して受験生1人という形式で行われます。合格率はほぼ100%なので、試験というよりは最低限のコミュニケーション能力の確認といった意味合いが強い内容となっています。
中小企業診断士とは「経営コンサルタント」として、国が認めている唯一の国家資格です。
中小企業診断士の業務は、中小企業支援法で「経営の診断及び経営に関する助言」とされています。 「現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイス」が主な業務ですが、その知識と能力を活かして幅広く活躍しています。
【1】中小企業診断士になるには?
中小企業診断士になるためには、「試験合格」+「実務補修・実務従事」が必要になります。そのため、まずは「試験合格」を目指すための学習をする必要があるわけです。
2017年度の本試験の日程は4月上旬に主催団体である「一般社団法人中小企業診断協会(J-SMECA)」から発表されます。
例年の日程では、1次試験は「8月第1土・日の2日間」(合格発表は9月上旬)、2次試験(筆記試験)は「10月第3日曜日」(合格発表は12月上旬)、2次試験(口述試験)が「12月第3日曜日」(合格発表は翌年1月上旬)に実施されます。
【2】中小企業診断士試験の内容
中小企業診断士試験は「1次試験」・「2次試験(筆記試験・「2次試験(口述試験)」の3つの試験に合格して初めて合格となる試験です。
まずは「1次試験」を突破しなければなりません。
1.1次試験について
1次試験は例年、毎年8月の第1土・日の2日間で実施されます。
試験科目は「経済学・経済政策」「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」「経営法務」「経営情報システム」「中小企業経営・政策」の7科目で、それぞれ100点満点の試験となります。
合格発表は例年9月上旬に行われ、合格者には2次試験の受験票が郵送されます。(科目合格者には、科目合格の通知が郵送されます。)
(1)1次試験の科目の概要
【1日目の試験科目】
1.経済学・経済政策
「マクロ経済学」と「ミクロ経済学」について学習します。マクロ経済学では、国レベルの広い範囲における経済について学び、ミクロ経済学では、一個人・一企業レベルの狭義的な経済範囲における経済について学びます。
2.財務・会計
「財務・会計」は企業経営の基本となる内容です。財務諸表の読み方、経営分析の手法など、会社の数字について学ぶことが出来ます。また、2次試験の事例Ⅳの問題との関連が強い科目でもありますので、しっかりとした対策をする必要があります。
3.企業経営理論
企業経営理論は、「経営戦略論」「組織論」「マーケティング論」の3つの分野についての幅広い知識の習得が必要になる科目です。2次試験の事例Ⅰ・事例Ⅱにも関連が強い科目となっております。
4.運営管理
運営管理はものの作り方と売り方の双方の効率性を追及する科目です。主に製造工程や品質管理と店舗施設や販売方法などについて学習していきます。2次試験の事例Ⅱ・事例Ⅲとも関連が強い科目となっています。
【2日目の試験科目】
5.経営法務
経営法務は、企業経営に関係する法令、諸制度、手続き等に関連する実務的な知識が問われます。
6.経営情報システム
経営情報システムはITに関する知識や情報システムと経営戦略・企業革新と結びつけるための活用法などについて学びます。応用情報処理技術者などの資格を保有している人はこの科目が免除されます。
7.中小企業経営・政策
中小企業経営・政策は中層企業の経営実態や経営特質、大企業との相違が問われるものとなっております。また、政策の分野については具体的な中小企業政策について問われます。中小企業に関する様々な統計資料を押える必要があるのですが、頻出ポイントをしっかり押えると得点源にもなりうる科目といえます。
(2)1次試験の合格基準は?
基本的には、総得点で60%以上、かつ、各科目40%以上を得点したものが合格となりますが、総得点では60%には至らなかった人でも、それぞれの科目において60%以上の得点をしている科目がある場合は、その科目については合格とする、いわゆる「科目合格制度」を適用しています。
【16年1次試験の結果】
・合格基準
・受験者データ
<科目合格制度について>
科目合格となった科目については、合格した年度の「翌年度と翌々年度の2年間」については「免除」されます。
そのため、科目免除合格者については、免除科目以外の科目の総得点が60%以上となれば合格となります。
例えば、3科目だけ科目合格した状態で受験した場合は、残りの4科目の合計得点が「60%以上となる240点以上」獲得できれば合格となります。(全科目で60%以上である必要はありませんが、40%未満の点数の科目が無いことが必須。)
2.2次試験について
2次試験は「筆記試験」と「口述試験」の2つがあります。「筆記試験」を突破した人だけが、「口述試験」に進むことが出来ますので、「筆記試験」をしっかりと突破するための対策を行う必要があります。
(1)2次試験(筆記試験)の試験概要
2次試験(筆記試験)は10月の下旬の日曜日に実施されます。
試験内容は、4科目にわかれており、それぞれの科目について、企業の「事例」が記載された内容についての各設問に解答していく形式の論述試験です。
合格基準については「総得点の60%以上、かつ、各科目40%未満の科目がないこと」とされていますが、実際には採点基準が公表されていません。また、試験結果については「A~Dの4段階評価」となっており。A評価が合格とされます。合格発表は12月の上旬です。
16年の2次筆記試験の結果はこちら
1.事例Ⅰ(組織・人事)
組織(人事を含む)を中心とした経営戦略や管理に関する事例の問題となります。主に、組織再編や組織改革による組織力の強化、人事施策による生産性の向上等を図るための戦略について論述させる問題が出題されます。
2.事例Ⅱ(マーケティング・流通)
マーケティング・流通を中心とした経営戦略や販売管理に関する事例の問題が出題されます。この事例では主に、サービス業や小売業など身近な業種をテーマにした題材が多く、販売管理や流通戦略などの手法を学びます。
3.事例Ⅲ(生産・技術)
生産・技術を中心とした経営戦略や生産管理に関する事例の問題が出題されます。この事例は、生産管理や技術の向上など、製造・販売に関する経営戦略についての問題が出題されます。製造業に関する企業の事例が多いこともこの事例の特徴です。
4.事例Ⅳ(財務・会計)
財務・会計について、経営の中心部分についての事例もんだいが出題されます。財務諸表の内容から、財務体質の改善、資本の適切な調達・運用を図る戦略なども問われます。また、アカウンティング(会計)・ファイナンス(財務)の両面から複合的に問われる問題も増えているので、包括的に財務状況を把握する術を身につける必要があります。
(2)2次試験(口述試験)の概要
2次試験の筆記試験に合格した方のみが受けることが出来ます。
12月の半ばの日曜日に実施されており、合格発表は翌年の1月中旬となっています。
・16年の結果はこちら(1月5日更新予定)
口述試験は筆記試験の4事例の中からランダムで2~3題について解答します。試験は試験官3人に対して受験生1人という形式で行われます。合格率はほぼ100%なので、試験というよりは最低限のコミュニケーション能力の確認といった意味合いが強い内容となっています。



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