【社労士】4/4(土)第2弾 社労士実務家講演会を開催しました
社会保険労務士講座担当の岡崎です。
4月4日(土)14:00~15:30 第2弾 社労士実務家講演会を開催いたしました。今回も10名の方が参加して、田村先生の熱いお話に耳を傾けていました。
私も参加していましたが、内容は社労士業界でもなかなか触れられることのないようなお話をしていただきました。さらに、スペシャルゲストとして、「名南経営コンサルティングの大津章敬先生」が来校されました!
大津先生も昨年の9月に講演会をしていただいていたのですが、まさかのサプライズ登場に会場もヒートアップ!講演会も予定時間を10分くらい延長して終了しました。⇒大津先生の講演会内容はをご覧ください。
<講演内容>
序章:社労士業界の現状について
【労基法改正法案の閣議決定】
4月3日に「改正労働基準法法案」の閣議決定がされ、主な改正内容は「年次有給休暇を5日必ず会社で取得させること」「企画業務型裁量労働制の適用範囲の拡大」などです。
今回の改正は「残業代ゼロ法案(ホワイトカラーエクゼンプションという)」といわれており、具体的に言うと「年収1075万円以上の高度で専門的な知識や技術を要する仕事を行う人に対して、残業代の支払い義務がなくなるようにする」という内容のもので、先生は「開業社労士としては<労務管理の方法>などを取り巻く環境に大きな変化が起き始めている」とおっしゃっていました。
【社労士としての2極化とは?】
・仕事の優劣による2極化
大口の仕事がよく入る社労士と仕事がきてもあまり大きなものではないか、ほとんど仕事がない社労士との2極化
・収入の高低による2極化
年収1000万超の社労士と年収300万くらいの社労士のような2極化
・やりがいの優劣による2極化など
社労士の仕事にやりがいを感じられるか、社労士の仕事に苦痛を感じるのか?という2極化
第1部:社労士試験受験生時代~開業までの道のり
【社労士を目指したきっかけ】:先生がなぜ、社労士を目指そうと思ったのか?
・「名ばかり管理職」の問題を解決するため(労基法41条(管理監督者の労働時間規定の適用除外に関する判例「マクドナルド事件」をうけて)
・当時、労務コンサルの会社を起業していたが、顧客企業の抱えている課題をすっきりと解決できないことへのもどかしさがあったため。
・リーマンショックの影響で決まっていた仕事が次々とキャンセルとなったことで味わった失望感など
【受験生時代】:短期合格者の先生が取った学習方法とは?
・「●●をやること」を決めるのではなく「●●をやらないこと」を決めるほうが非常に大事なことである。
・受験勉強を始めるときに「目標・計画」を立てること。
・特定社労士に合格するまでが、社労士試験だと考えていた。
【合格発表から開業へ】:合格発表から開業に向けて先生が行ったこととは?
・合格発表直後から主要関係先へのあいさつ回り
・顔と名前を徹底的に売り込む
【合格への最短ルートとは?】:先生が導き出した合格への最短ルートとは?
ずばり、「過去問を徹底的に攻略することが理解と合格への近道で王道である。」というシンプルなものでした。
第2部:社労士としての戦略・戦術など
1.開業前:先生の開業当初の目論見とは?
・ビジネスモデルとして取り組んだことは「人事コンサル」「採用コンサル」「労働トラブル対策(予防(再発防止)と解決)」「キャリアコンサルティング」「セミナー・講演」等
・実際にやってみて、最も力を入れてやったこと(あたりと感じた内容)は「セミナー・講演」だった。
・自己分析(SWOT分析※)を行うことが今後の戦略を考えていく上ですごく役立ってくる。
※「外部要因」「内部要因」「好影響」「悪影響」の4つに区分して自己分析を行う方法で「強み(Strengths)」「弱み(Weeknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の4つの分野に分けて分析をするもので、4つの頭文字をとってSWOT分析と呼ばれている。
2.戦略策定:自己分析を踏まえた上で先生はどのようなビジネス戦略に出たのか?
<戦略>
「労働トラブル(労働者と事業主との間で起こる問題)に積極参入する。」
(理由)
・不景気で相談件数が増加傾向にある。<労働トラブルの要因(リストラや解雇など)となるコンサルは「不景気型」と言われており、不景気になると相談件数が増加するのが特徴。>
・人事・労務制度が全体的に見えるようになってくる。など
<戦術>
まずは、「トラブルに強い社労士」として打ち出して行く。]
<具体策>
労働トラブルに関するサービスメニューを策定し実行する。
(トラブルになりやすい人)
・素直すぎる人
・全く反省をせずに同じことを繰り返してします人など
<現在の戦略>
・真に優良企業を目指すところとのみと付き合う事を意識する。
→上記トラブルになりやすい人かどうかを見極めて付き合う企業を選ぶ
3.顧客獲得術
<4Pの観点から最適な顧客獲得を目指す>
・製品(Product)
レディメイドが出来なければ顧客のオーダーに応える事が出来ない。
・価格(Price)
自分の価格を決定することが大切。「1時間=1万円」といったように自分の価値を自分できめて作りだしていくことが大切。ちなみに、年商1,000万円を目指すならば、1日4万円以上は最低でも稼げるようにならないといけないということ。(250日稼動として計算した場合です)
・流通(Place)
信頼できる顧客・知人・士業等からの紹介という名の流通経路。
ここで言う「信頼できる」とは「紹介する人が紹介先の人の事をどのように思っているか?」ということで、紹介する人が紹介先の人のことをどれくらい大切に思っているかを「信頼できるかどうかの基準」となっている。
・プロモーション(Promotion)
「伝えたい相手」と「伝えたくない相手(いわゆる、労働問題を起こしやすい人のこと)」を明確にすることが大切。
4.クロージング
ポイントは「3つの題(宿題・課題・御題)」で顧客を獲得する事。
・「宿題」とは、顧客が「今」やって欲しいこと(現在化したニーズ)
・「課題」とは、近いうちにやって欲しいこと(潜在的なニーズ)
・「御題」とは、将来的にやって欲しいこと(長期的なニーズ)
第3部:”二極化する社労士業界”と”勝ち組社労
士”と社労士最強伝説
・社労士は実は「士業の中で最高年収」
とある週間経済誌で、平均給料が社労士で855万・弁護士は801万との調査結果が掲載されたように、社労士は世間のイメージを覆すような年収を実現することも可能であるという事。
・社労士は「ポールポジション」に立っている
企業内で起こる様々なトラブルの中でも、社労士が関係する内容が意外なほどに多いとの事。そのため、身近な労働に関するトラブルが起こるたびに、社労士が活躍できるということ。そういう点で、他の士業に比べると出番が多いので、企業から見るとポールポジション(F1において、予選の結果で決勝のスタートポジションを決めるのですが、その中でも一番先頭の位置のことを言う。)に立ち続けているということです。
・勝ち組(価値組)社労士の基準とは
年商1,000万円を超えたら「勝ち組(先生は「価値組」といっています。)」。問題は「中身」が顧客にとって価値のあるものなのか?という部分で考えていくことにある。そして、それこそが「価値」組社労士といえる。
・社労士は持続可能な社会への鍵を握っている
最近の労働に関する問題で最も多いのは「環境不適応問題」です。
これは、労働者が楽しく働くための環境が整っていないため、「精神疾患を患っている人(約300万人)」や「うつ病(精神疾患の患者のうち約100万人いるとも言われている)」になっている人が増えている問題のことです。この問題を解決するために社労士が担っている役割は今後も大きくなってくるため、社労士の仕事の幅も大きく広がる可能性はあります。
最後に:田村先生の社労士としての考え方とは
「従業員満足(ES)なくして顧客満足(CS)なし」
「両方(ESとCS)なくして人と組織の成長はなし」
従業員満足は「働くことを楽しむ心をいかに高めるか」ということです。「顧客満足」はクライアントさんのニーズへの迅速な対応により顧客が感じる満足感です。この2つの満足はどちらか一方だけでは決して成り立つものではない。
つまり、従業員が満足できる(仕事を楽しむことが出来る)職場環境であれば、顧客へのサービスの質が向上するため、顧客も高い水準における満足感を得ることが出来るようになります。逆に、顧客の高い満足感を得るためにどうすればよいかを考えたときに、逆算思考で考えてみると、最終的には従業員満足が高くなければ、実現することが出来ないということにたどり着くということです。
このように、社労士という仕事には、まだまだ、無限大に広がる可能性を秘めていると思います。その可能性を社労士だけでなく様々な士業の先生と協力して広げていくことが、今後の「御題」なのかもしれません。
- 関連記事
-
- 【社労士】4/4(土)第2弾 社労士実務家講演会を開催しました (2015/04/19)
- 【社労士】第1回 実務家講演会が開催されました (2015/04/19)
- 【講演会(弁理士)】10/13(月祝)15時 超難関年次(2013年短答合格率9%)合格者と合格に導いた人気講師によるプレミアム講演会 (2014/10/02)
- 実務家講演会(資格、実施日に関係なく、開催が決定した順に掲載しています。) (2014/02/14)
この記事へのコメント