2013年弁理士合格体験記【名古屋】
<G.H.さん>
31歳 受験回数:2回
受講講座:1年合格ベーシックコース+アウトプット完成コース
◎弁理士を目指した理由
システムエンジニアとして仕事をする中で特許権侵害の問題や委託開発契約における著作権の取り扱いといった経験から知的財産権に興味をもちました。初めは軽い気持ちで知的財産についての本を読んでいましたが、次第に関心が強くなり、弁理士となって知的財産権を扱うことを職としたいと考えました。私自信が新しい技術や知識に触れるのが好きなこと、知的財産の見地から企業活動をサポートする仕事に憧れたことが弁理士になろうと決めた理由です。また、ソフトウェア開発の場面では要求や仕様を論理的に整理するスキルが求められますが、この能力は法律を扱う上でも応用できると考えたため、30歳になるのを機に始める新しいことにちょうど良いと思ったことも理由の1つではあります。
◎LECを選んだ理由
ガイダンスで伺った富澤先生のお話が法律を扱う知識をほとんど持たなかった私にも分かりやすく、知的財産については初学者中の初学者の私も理解できると実感したことがLECを選択した理由です。また、当時は名古屋エリアで通学クラスを開講している予備校が他にはありませんでしたので、LECを選択しました。
◎入門講座のカリキュラム、テキスト、講師について
富澤先生は最初の講義で法律の基本的な考え方をしっかり教えてくださいました。あの講義がなければ私の一発合格はなかったと今でも思っています。一般法・特別法・条約の位置づけ、条文・判例・審査基準・学説の位置づけ等を最初に理解できていたからこそ、その後の学習を効率的に進められました。また、富澤先生は法律を数式の様に扱うことを提唱されていましたので、情報処理が専門の私にはぴったりの考え方でした。カリキュラムでは入門講座と論文基礎力完成講座が法域ごとに交互に組まれていため、入門講座で得た知識を忘れる前に論文を書く力に繋げることができました。
◎短答試験対策で気をつけたこと
短答式試験は広く・細かく問われるため、出題ポイントがわかりにくいものです。そこで、学習では過去問第集を繰り返し解きつつ、富澤先生に指導いただいた「問われた条文上の箇所に線を引く」勉強法を取り入れました。この方法によって、条文に含まれる要件のうち、出題されやすい要件はどれかということを把握しやすくなります。特にPCTは規則まで含めると範囲が膨大になりますが、どの規則をおさえておくべきかを明確にすることができます。また、過去問題に取り組むときには正誤だけでなく、1枝ごとに解答の根拠も合っていたかを確認することに注意していました。
◎論文式試験で気をつけたこと
短答式試験から論文式試験までは1月程しか余裕がないため、論文式試験の学習は先行して前年10月から3月くらいまで行いました。論文は「書く技術」と「知識」が大事だと教わっていましたので、この時期、毎日1つは論文を書き「書く技術」を磨くようにしました。時間がとれない日も簡単な問題を選ぶ等の工夫で継続しました。「書く技術」では論点のブロックや文章のパターンを習得することもそうですが、自身の「書くスピード」を把握することも大切です。試験時間内に書ける文量を知っておき、答案構成をその文量でアウトプットしなければならないからです。初めのうちは時間内に書けることはほとんどありませんでしたが、条文番号を暗記して法文集をひく回数を減らす、定型フレーズを多く用意しておくといった工夫でスピードを上げました。私の論文式試験は愛知県から大阪会場への遠征受験(前泊)でした。あまり多くのテキストは持っていけませんので、前泊の際に詰め込むためのコンパクトな資料を用意しました。内容は過去に出題されたり、出題が予想されたりしている論点や判例、主な条文の趣旨を自分の言葉で短くまとめた箇条書きです。短答式試験が終わった直後から、論文を書くための「知識」の補充をしながらこの資料を作成しました。特に趣旨や判例は短答式試験ではほとんど出題されないため、資料を作りつつ論文式試験までの間に重点的な復習を行いました。答錬や本番で論文を書いているときは、富澤先生の24の論文セオリーを念頭においていました。「④部分点あるあるの理論」や「⑤原則から例外への理論」を思い出しながら論文を書くことで、章の立て方や文章構成の面でミスをすることを防いでくれました。試験後にも「⑭重大ミスも1つなら大丈夫の理論」を思い出して、書き漏らしに気づいて焦っていた心を落ち着けられたことを付け加えておきます。
◎合格して思うこと
弁理士試験に関心をもって以来、幸いにも短期での合格を果たすことができました。当初は試験勉強と並行して知的財産分野への転職活動も行おうと考えていましたが、両立させることは難しく、まずは弁理士試験合格を優先させました。したがって、私にとって今は弁理士試験合格という1つのゴールに達することはできましたが、知的財産分野で仕事をするという次の目標のスタートラインについたところです。これまでに勉強してきたことは振り返ってみればとても面白い内容であったと思います。数年前の自分からしたらまさか法律の勉強をしようなどと予想もされません。是非ともこの知識を活かせる仕事ができるように励みたいと思います。
また、この合格は周囲の理解と協力もあってのことだと思います。特に勉強生活に理解をし、様々な面でサポートしてくれた家族にはこの場を借りてお礼を言いたいと思います。
◎通学講座のメリット・デメリット
通学講座は他の受験生の様子を知ることができ、また仲間や相談相手を作ることができる点で有利です。疑問や分からない点をすぐに講師に聞くことができる点もメリットです。日時が限定されてしまうデメリットがありますが、一方で、開講日を目安に自宅での学習計画(復習や予習)を立てやすくなります。
◎仕事と勉強の両立のこつ
私は通勤時間を有効活用しようと、スマートフォンに単語カードアプリを入れて条文(要件や効果)・趣旨・判例・条文番号等の暗記をしていました。作ったカードは3,000枚以上です。移動時間に暗記作業をしておくことで、出社前や帰宅後のまとまった時間は論文の練習や短答の過去問題などに割り当て易くなりました。出社前、昼休み、帰宅後、通勤時間のそれぞれ、自分に適した勉強法を選択することが秘訣です。
◎これから弁理士を目指す方へのメッセージ
おそらく弁理士試験に挑まれる方の多くは仕事や学業との掛け持ちの生活を送られることと思います。両立は大変なことですが、自分に合った勉強方法を早めに見つけられることを願います。たまには息抜きでもしながら、でも、ゴールをしっかり見据えてがんばっていただければと思います。最後に、私はシステムエンジニアであり、知的財産分野の仕事の経験はまったくありませんでしたし、法律や知的財産に関する知識も学習を開始した時点では皆無であったといえます。それでも合格を果たすことができました。私のように他分野から挑戦を考える方も(周りは知財経験有りのライバルばかりかもしれませんが)自信をもって挑んでほしいと思います。
<K.K.さん>
38歳 受験回数:
受講講座:1年合格ベーシックコース+アウトプット完成コース、中上級者向け講座
◎弁理士を目指した理由
大学卒業後、開発部門で10年以上産業機器の設計に携わり 知財業務とはほとんど関係がない部署で過ごしてきましたが、将来のために何か資格を取得してみたいと考えるようになり、理系の人が多く受験する弁理士資格に興味を持ちました。また、リーマンショック以降、先進国指向が高まる中で、今後国内では知的財産の保護がより重要になるのではないかと考えトライしてみることを決めました。
◎LECを選んだ理由
受験機関を多く調査をしたわけではないのですが、たまたまWebで試聴した佐藤先生のいかにも知識が詰まっていそうな授業が気になり、LEC名古屋校のガイダンスに出てみることにしました。そして、そこでの富澤先生のガイダンスがとても解りやすいものだったことから、これなら法律に疎い自分でも受験を乗り切ることが可能かもしれないと考え受講してみることにしました。
◎入門講座のカリキュラム・テキスト・講師について
オリジナルレジュメが充実し、また自らの受験経験を多分にまじえ講義をしてくれる富澤先生の入門講座は初心者である私に全く適したものでした。この授業を通して弁理士試験の核となる部分を形成してもらいました。条文には表れていない情報(趣旨等)を直接条文集に入れ込んでいく手法はのちの論文試験での学習で役立ったばかりでなく、情報が増えていく条文集を見ながら、学習が進んでいることを視覚的に確認でき、モチベーションの維持にもつながりました。また、授業中に教えてもらったゴロ合わせは、いざというときに必要な項目を取り出せる便利ツールとして口述試験まで重宝しました。
◎短答試験対策で気をつけたこと
短答対策では短答基礎力完成講座を受講した他、自学用としてはLECの短答過去問集を利用しました。富澤先生から過去問集を3回は通すこと、また、2回目以降は1度解けた問題には着手せず解けなかった問題を重点的にやること、を言われていたのでその通りにしました。というか、年末年始に引っ越しをしたり、試験2~3ヶ月前に仕事がたてこんでいたりと、直前期に思うように勉強できなかったこともあり、それ以上のことはできませんでした。(実際3回目が終了したのは本試験前日でした)。とにかく問題を1問でも多く解くことを優先したかったので、条文集の読み込み等のインプットだけの作業は避け、過去問集で間違った所、たまたま答えがあった所を中心にしっくりいかない部分を条文やレジュメで確認するという形で勉強を進めました。準備が不足しているのではという不安は常にありましたが、とにかく過去問を3回は通したことから、やれることはやったという気持ちで当日を迎えることができました。そのおかげか、ボーダーではありましたが、1年目で短答にひっかかることができました。私が短答で合格できたことは運の要素が大きいかもしれませんが、ひとつだけ言えることはあまり意気込んで手を広げ、中途半端で終わるよりはあらかじめ無理のない課題を設定し、その計画を確実にこなす方が自信につながり良い結果をもたらすのではないかということです。
◎論文試験対策で気をつけたこと
論文対策では1年目は論文基礎力完成講座を受講しました。富澤先生の論文基礎力完成講座は試験中に貸与される条文集をフルに活用すれば知識量の少ない初学者であっても答案作成が十分可能であることを示してくれるものでした。この講座を受けたことで論文に対する抵抗が薄れ、論文試験は好きな科目と感じることができるようになったことはその後の試験勉強において大変良い影響となったと考えています。しかし、年明けからは上述したとおり短答対策も十分できない状況にあったことから、論文対策は全く時間を取れなくなってしまいました。辛くも短答は合格できたもののやはり論文対策に費やした時間が絶対的に少なかったことから、1年目で論文突破まで至ることはできませんでした。ここで、1年目の論文試験の直前期に私が疑問に感じていたのが、論文対策ではいかにして問題数をこなせばよいのかということでした。というのも、論文の練習は全文書きしてしまうと1問あたりに要する時間が大変長くなってしまい数多く問題に当たることができません。しかし、項目を挙げるだけの答案構成で練習をすると、いざ全文書きをしようとする際につなぎの言葉が見つからず右往左往してしまい時間が足りなくなります。2年目に受講した高橋先生の論文実戦力完成講座および論文フォーマット講座はまさにこの疑問に答えてくれるものでした。先生に教えてもらった論文学習方法は初めこそ慣れが必要でしたが、言われたとおりの方法で、論文アドヴァンステキスト及び、フォーマット講座で出題された問題を5月までに各問3回ずつ繰り返して解いたことで、項目抜けが減り、項目を挙げる時間が段々スピードアップすることも実感することができました。特にフォーマット講座で使用されている模範解答はかなり解答量が多いもので、初めて見たときはこんなに書けるのかと思ったものですが、何度か練習することでそれなりに再現できるようになりました。5月以降の直前期は論文実戦答練で出題された問題を重点的に解くことにしました。短答後の論文向けガイダンスで納富先生が、受験生が最も利用しているLECの実戦答練は必ず復習すべきと言われていたからです。また、試験1週間前にはかねてから当たると評判の高橋先生の「論文本試験予想大祭り」を受講し、残りの1週間はそこでの予想問題を集中して学習することにしました。結果として、大祭り出された予想がかなりの精度で的中し、本試験ではレジュメを横に置いてそれを写しながら答案を作成しているような感覚で受けることができました。論文試験について言えることは、まずは可能な限り幅広い範囲のフォローが大切ですが、直前期には受験機関(特にLEC)の予想が出される講座は受講した方が良いということです。受験のプロが出す予想は研究がされており、かなり精度が良いものです。そして、予想された問題が出た場合それをあらかじめ準備しておいた人とそうでない人の間ではかなり差が生じます。たとえ実力がある人でも、やはり1週間前に、出題される問題を集中して学習した人には敵わないと思います。
◎合格して思うこと
私が弁理士受験を2年で卒業することができたことは運による部分が大きかったかもしれません。家から通える距離にLECの校舎があり、そこで1年目、2年目とも講師の先生に恵まれました。また短答試験の結果ひとつ取ってもボーダーが1点違っていたら2年目も短答・論文の両方を勉強することになり、結果も今とは随分違ったものになっていたことでしょう。それでも今は、合格できたことを素直に喜び、お世話になった先生方、精神的・実質的に助けてくれた受験仲間達、いつも丁寧に応対してくださったLEC名古屋のスタッフの方々、そして、やや無謀とも思える試みを理解し支えてくれた家族に深く感謝したいと思います。
◎通学講座のメリット・デメリット
通学講座を経験した者としては、可能であるならば通学講座で受講するのが良いと思います。先生そして受験仲間との交流は通学講座でなければ得られないものです。特に自分は仕事および普段の生活は弁理士試験とは無縁の状況だったので、週に1回名古屋の教室に行くことは大変刺激になりました。(他の人との差を見せつけられて凹むことも多々ありましたが・・・)
◎仕事と勉強の両立のコツ
社会人である以上どうしても勉強よりは仕事を優先し、勉強は隙間の時間を利用することになります。私の場合は、平日は朝早くおきて1~3時間程度勉強し、週末はLECに行くか家で5~8時間程度勉強するという形を取っていました。テレビ等がほとんど見れなくなるので時事ニュースに疎くなってしまいますが、空いている時間はすべて勉強に費やすという覚悟さえしてしまえば案外社会人でも時間は確保できるのかもしれません。
◎これから弁理士を目指す方へのメッセージ
自分が合格して思うことは、弁理士試験は特殊な才能を持った人を選抜する試験では
なく、列に並ぶことさえやめなければ、いつかは順番が回ってくる試験だということ
です。そしてプロの先生に従っていけばその順番は2年も3年も早くなると思います。
どうか先生を信じ、自分を信じて「次に呼ばれるのは自分だ!」という強いイメージ
を持って頑張ってください。
<N.M.さん> 弁理士試験は、合格するべくして合格するもの
28歳 受験回数:
名古屋大学大学院 工学研究科 マイクロナノシステム工学専攻卒
受講講座:1年合格パーフェクトコース1・2・3、中上級者向け講座
◎弁理士を目指した理由
私は弁理士という資格を、大学生協で配布されている受験機関のチラシで知りました。大学で工学を専攻していた私は、就職を考える際に、企業の一技術者として働くのも良いが、技術者の役に立てる仕事に就くのも良いな、と考えていました。そんな時に出会った弁理士の仕事は、技術者としての知識を、法律的な枠組みの中で展開して、技術者の思想を表現する面白い仕事だなと感じました。これなら、技術者として、技術者の役に立てる仕事ができると感じ、弁理士をめざしました。
◎LECを選んだ理由
生講義だけでなく、自習室があったり、Webフォローがあったりとサービスが充実しているように感じたからです。初級講座は、疑問点をその場で解消することが大事だと感じ、生講義を選びました。名古屋で生講義を行っているのは小林かおる弁理士のみだったので、担当講師は選択の余地はありませんでした。
◎入門講座のカリキュラム・テキスト・講師について
短答基礎の講義(3ヶ月くらい)→論文基礎の講義(3ヶ月くらい)→短答試験の演習→論文試験の演習という形で講座が進んで行きましたが、今になって考えると、初年度は短答に専念して、知識が固まってから論文試験の勉強を行うようにした方が、早く合格できるように感じました。というのも、初年度はまだ知識が固まっていないので、論文基礎の講義も半分以上は知識を埋めるために用いられ、論文独特の勉強の仕方をする余裕はなかったように感じられるからです。論文基礎の講義(論文の設問のとらえ方とか、論文の書き方とかの講義)を役立てるためには、短答試験を突破する程度の四法の知識が土台として必要だと思います。私は2年目以降に論文基礎と、アウトプットの講義をWebで行いましたが、1年目に行った論文基礎の講義よりも役立ったように感じました。これは、テキストや講師云々の問題ではなくて、受験生本人にどれほどの基礎が備わっているかに左右されるものだと考えます。なので、これから弁理士試験に臨む皆さんは、論文試験の基礎講座を受ける際に、4法の基礎をどのような形で身につけるのかを考慮したうえで、講座をとると良いと思います。ちなみに、4法の基礎を身につける際には、1問1答集で復習を行うことが早道であると感じています。テキストはどれもわかりやすいものばかりでした。ですが、それ以上に、講師がまとめてくれた一覧表や、事例集(レジュメ)がわかりやすかったです。LECでは、講師ごとに「~(講師名)レジュメ」というのがあるのが恒例で、レジュメの内容も講師によるので、中には自分の性格に合わないレジュメを使う羽目になる場合もあるかもしれませんが、私は運よく非常に使いやすいレジュメを手に入れることができました。講師を選択する際には、その講師がどのようなレジュメを出す傾向にあるのかを、下調べしておいた方がいいと思います。私が入門講座を受講したころには、小林かおる先生が名古屋にいらっしゃいました。基礎講座ながら、本人が以前に取り扱った案件を例に出してお話してくださることがあり、特許を扱う事例が非常に身近に感じられるとともに、理解がしやすかったです。弁理士試験の勉強を始めたころは、特許業界のことを何も知らない状態だったので、そういった実際の事例の1つ1つが非常に勉強になりました。
◎短答試験対策で気をつけたこと
短答試験は、6.5割とれれば受かる可能性のある試験です。なので、あまりマニアックなところには手を出さないように気を付けました。過去問10年分の中で、2,3回しか出てこないような内容は捨ててしまって良いと思います。一方で、手続き系の、毎年出るような内容は、言い回しがどんなに変わっても失点するわけにはいきません。なので、そのような問題には繰り返しあたって、理解を深めて応用力をつけるように気を付けました。また、短答試験では、不競法や著作権法は出題数が少ないので、捨てる方もいるようですが、ここは得点源にするようにしました。著作権法は、癖を見抜けば、勉強していなくても点が取れることがあるし(当たり前で答えられる問題か、どんなに悩んでも正解にはたどり着けない問題かで、問題が極端に2分される。すなわち、問題の難易度に中間がないので、極端な設問が正解なことが多い)、不競法は、そもそもの条文の量が少ないため、丸暗記することも可能であると考えるからです。
◎論文試験対策で気をつけたこと
初年度の論文試験の勉強は、条文の量の多さから、どうしても特・実寄りになると思います。当時は、特・実、意、商すべて大事だから、すべてに同程度の時間を割く必要があると思い、演習期には、月曜に特実、水曜に意匠、金曜に商標という風に、曜日毎に科目を決めて、各教科での勉強時間を確保するように努めました。選択科目は流体力学を選択しました。私が選択科目を合格した年は、大阪で流体力学を受けた人は、私ひとりでした。大学の定期試験レベルの問題が出るということだったので、特許庁で公開している過去問を1通り解き、大学時代に用いたテキストの該当範囲を1通り復習して、十分対応できました。機械系の学部を専攻し、流体を学んだことがある人であれば、落ちるような問題ではありません。選択科目に悩んでいる人は、流体をお勧めします。
◎合格して思うこと
非常に多くの時間を弁理士試験の勉強に費やしました。今後、勉強時間としていた時間を、弁理士業務にあてたり、興味のある外国語の習得にあてたりできると思うと、非常にワクワクします。
◎通学講座のメリット・デメリット
講師にその場で直接質問ができます。答えもすぐにかえってきますが、自分のペースで勉強できない点がデメリットです。
◎通信講座のメリット・デメリット
自分のペースで勉強できますし、2倍速で講義を聴くことで、3時間の講義を1.5時間で終了することができます。また、不明な点は0.5倍速で聴くことで、内容をしっかり理解することができます。(2倍速で聴いていた講師の声を、通常速度で聴いたときに、「この先生は実際にはこんな声だったのか」と驚くことがありました。こういった驚きも、受験勉強の中では、癒しになると思います。)但し、忙しいと溜まっていく点がデメリットです。
◎仕事と勉強とを両立するコツ
決まった時間に少しでも、必ず勉強するようにすることだと思います。私は、特許事務所に入ってから、始業2時間前に出所して、2時間勉強していました。今思うと、直前期を除く勉強時間はこれだけです。休日も特別勉強していたわけではありません。学生時代から勉強していて良かったことは、普通の工学部生は受講する必要のない講義について、友人が知らせてくれて、大学に弁理士が出張講義にくる講座を受けることができたこと。友人関係が広がったり、普通の工学部生は出会うことがなかったであろう弁理士の先生に出会えたりしました。
◎これから弁理士を目指す方へのメッセージ
私は大学院時代に入門講座を専攻し、就職してからも何度か受験し、特許事務所に転職して1年で最終合格しました。宮口先生が、「あきらめなければ、絶対に受かる試験」と言っている通り、合格のための条件があるとすれば、あきらめないことだと思います。あとは、周りの環境が整い、受験生であるあなたが、本当に弁理士に合格する準備(知識も、心も)ができれば、自然と合格します。あまり難しく考えずに、思い立ったが吉日で始めてみればいいのではないでしょうか。
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